第61回カンヌ国際映画祭が開催中のフランスはカンヌ。世界各国から集まった映画関係者で賑わうビーチ沿いのメインストリートでは、連日のようにプレミア試写、記者会見などのイベントが開催される中、5月19日、『レッドクリフ』の記者会見が開催された。


会場となったのは、世界中から集まる俳優達の予約が殺到するカールトンホテル。会見予定の午前11時を前に、行列を作り始める報道陣。結果、2部制で行われた会見には、世界約100カ国の国から300名以上のプレスが参加。

同日、世界中から続編が待望されていた『インディ・ジョーンズ』が、ワールドプレミア(本編初公開)を実施。また、主演のハリソン・フォード、監督のスティーブン・スピルバーグ、そしてジョージ・ルーカスらが揃って、レッドカーペッドに登場し、注目を浴びていた。一方、『レッドクリフ』が記者会見冒頭に、「世界初お披露目」として公開したのは、10分。しかし、わずか10分ながら、この日のために用意された特別映像の迫力に、上映後には、集まったプレスから拍手が沸き起こった。

報道陣の興奮も覚めやらぬ中、会見場には、ジョン・ウー監督と8名のキャスト(トニー・レオン、リン・チーリン、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、フー・ジュン、チャン・フォンイー、ソン・ジア、トン・ダーウェイ)が登場。『レッドクリフ』についてコメントした。


ジョン・ウー監督
「三十数年の映画人生の中で最も忘れがたい、良い経験ができました。このような映画を作ることは私の生涯の夢でした。
『レッドクリフ』は、国際的な作品です。三国の物語は中国人だけの物語ではなく、日本や韓国、そしてマレーシアなどにいる中国人と外国人の中で共有している物語です。この映画はアジアの枠を越えて、誰でも楽しめる作品にするよう努力しました。た。この作品は国際的な影響力を持たせる以上、感情表現において各国共通の感覚を作り出したかったのです。『トロイ』や『ベン・ハー』などのハリウッド映画が世界で楽しまれているように、この『レッドクリフ』は、アジア版『グラディエーター』と言っても良い、世界中の誰もが楽しめる、世界映画であると思っています。」

トニー・レオン
「撮影時は色々大変でしたが、同時に楽しむこともできました。今回はアジアの素晴しい俳優さんと協力できて、とても楽しかったです。」

リン・チーリン
「オーディションの日に「この映画を愛と友情などの絆、そして平和を唱える作品にしていきたい」と監督が言っていたのを覚えています。皆さんご存知のように、この映画は三国時代の「知恵の闘い」という雰囲気がとても濃厚なのです。しかし、監督は作品の中に「人間性」というものの繊細な描写を多く加えているのです。」

ヴィッキー・チャオ
「今回、ジョン・ウー監督と協力して映画を撮ることが出来て嬉しく思います。とても忘れがたい経験ができました。先ほど映像を観て、非常に感動しました。」

チャン・チェン
「この映画のチームの一員として皆さんと一緒に仕事できたことを嬉しく思います。監督のご指導の元、自分の最高な演技を見せることが出来たと思います。」


また、5月12日に中国の四川省を襲った震災について記者に訪ねられた各キャストは一様に、「自分にできることは、支援したい」と神妙な面持ちでコメントし、ジョン・ウー監督は、「この映画では、絆や団結力、友情を描きたかった。今回の地震のようなピンチだかこそ、中国人の団結力が試される。本作で伝えたかったこともそこです。」と述べ、映画の収益の一部を義援金として寄付することを明らかにした。

記者からの質問は、日本での舞台のため、会見に参加できなかった中村獅童にも及び、ジョン・ウー監督は、「彼はとてもユーモアがあって、現場のみんなが獅童のことを大好きになった。激しいアクション撮影に挑戦してもらったが、やり遂げてくれた。頭がよく、素晴しい役者だ。」と、絶賛。

カンヌでは、毎日のようにDairy Pressといった簡易雑誌が発行されているが、そのあちこちに『Red Cliff』のタイトルが飛び交い、「Hollywood Reporter」誌では、主演の3名が表紙を飾った。

『レッドクリフ』は、アジア映画でも、ハリウッド映画でもなく「世界映画」とジョン・ウー監督が語ったように、『レッドクリフ』が、遂に、カンヌから世界へ向けて羽ばたき出した一日だった。

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「The Hollywood Reporter」の
表紙を飾った『レッドクリフ』

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