「この映画を製作するというのは、まだ香港で仕事をしているときから、18年間ずっと僕の夢だったんだ。」と、
ジョン・ウー監督は、20日に開催されたワールドプレス向けのインタビューで語った。

前日の記者会見でお披露目された最新映像に感激した世界中のマスコミ陣が、会場内には収まりきらず、アジアプレスと欧米プレスに分けての開催。短い制限時間との戦いの中で、記者たちから次々に質問が飛ぶ。各自の質問に、懇切丁寧に答えていくジョン・ウー監督のテーブルは、いつもタイム・オーバー。取材を止めようとするスタッフを制止してまで、自身が納得いくまで熱く語り続ける。

「『レッドクリフ』のテーマの一つとして、「団結」というのがあるんだ。ただ単にアクション映画としてではなく、皆が一致団結して勝つという人間ドラマを描いている。そして、「勇気」と「友情」も大きなテーマのひとつ。世界中でさまざまな問題が起きているけど、「勇気」があれば、どんな困難にも立ち向かえる。さらに「友情」が加われば、不可能なことも可能になると思うんだ。」

また、「子供の頃から「三国志」を読んで育ってきたので、ストーリー自体が大好きなんだよ。特に「赤壁の戦い」(レッドクリフ)のエピソードがね。」と語るジョン・ウー監督の登場人物への思い入れは深く、監督の名を一躍世に知らしめた『男たちの挽歌』で、チョウ・ユンファが演じた役柄は、実は、『レッドクリフ』の主演でもある「三国志」の周瑜からアイデアを得たものだというエピソードを明らかにした。




その周瑜を演じたトニー・レオンは、記者会見の夜に行われたパーティーに、突然、婚約者と仲むつまじく登場。公の場に二人揃って登場したのは初めてのことで、カメラマンのフラッシュが、より一層激しくたかれた。普段はシャイで、言葉数が少ない記者泣かせのトニー・レオンだが、婚約者と一緒のお陰か今回のカンヌでは、記者会見でも、ラウンド・テーブルでも、記者を驚かせるほどの饒舌ぶり。

このパーティには、トニー・レオンのほかにもリン・チーリン、ヴィッキー・チャオ、ソン・ジアなどのアジアン・ビューティーたちが華麗に登場。特に、真っ赤なドレスで現れたリン・チーリンは、その美しさがカンヌでも評判になり、スティーブン・ソダーバーグ監督『CHE(原題)』の公式上映の際、レッドカーペットに招待されたほど。主演のベニチオ・デル・トロとの2ショットで歓談する姿が話題となった。

トニー・レオン&フィアンセ リン・チーリン ヴィッキー・チャオ ソン・ジア

また、パーティ会場では、記者会見でお披露目された特別映像が、冒頭のオープニングセレモニーにて上映されたが、あまりに多くの人が殺到したため、上映機材のトラブルなどが起こったほど。しかし上映後には、大画面の迫力映像に、ここでも拍手と喝采が巻き起こった。

パーティ会場に入るなり、マスコミや関係者たちから囲まれ続けていたジョン・ウー監督だが、記者会見とは違うリラックスした雰囲気の中、駆けつけたジャッキー・チェンなどのVIPとも上機嫌で言葉を交わしていた。
特別映像に絶賛の声が贈られる中、壇上に上がったジョン・ウー監督は、「いま、とても感情が高ぶっていて、なんと言ってよいか分からない」と興奮した様子。横に立ち並ぶキャスト、スタッフ、そして関係者に「みなさんのお陰で、夢がかなった」と感謝の意を表した。

1800年の時を越え、語り継がれてきた伝説の物語を、18年の間、現代によみがえらせることを夢見続けてきたジョン・ウー監督。「どんなことが起きても、前向きに直面していくべきです。私の今までの作品は、悲劇的なものが多かったが、この作品は、素晴らしい明日への希望を持たせてくれるものにしたかった。信じることが、人生を楽しくするということを、皆さんに伝えたかった」と語るジョン・ウー監督の表情は、誰よりも希望に満ち溢れていた。



カンヌを虜にした、ジョン・ウー監督編集の10分映像が、
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